工場夜景撮ってみたものの「レタッチがわからない、しっくりこない」そんな方に向けて工場夜景のレタッチを解説していきたいと思います。都市夜景とは違い、色味が工場の種類によってパターンかされているのでコツを掴めば簡単にかっこいい工場夜景を仕上げることができます。
ちなみに前回は、「ティール&オレンジ」という都市夜景向きなレタッチを紹介しました。こちらも読んでいただけると嬉しいです。
【参考】【Lightroomで編集】夜景におすすめのレタッチテクニック「ティール&オレンジ」
レタッチ解説
まず、工場夜景のレタッチにおける私なりのポイントを次のようにまとめました。
- 全体的に彩度を下げる。
- テクスチャーと明瞭度を上げて、金属の質感を出す。
- コントラストは高め。
この3つを抑えるだけで簡単にレタッチ出来ます!
レタッチ前後の画像
今回用いる画像は、川崎で撮影した昭和電工の画像です。
1枚目は元画像、2枚目が完成品になります。


レタッチ前はかなり暗い画像になってますが、これは私が夜景を撮るときにアンダー(大体-0.7 EVから-1.0 EV)で
撮影しているからです。夜景は明暗差が大きく白飛びしやすいので、レタッチで明るさをあげる方法を取ります。
レタッチ後は、グリーンもうるさくない程度に残し、極端に色味は変えず自然な仕上がりを意識しました。
基本修正とトーンカーブ
それでは、実際にレタッチをしていきましょう。
まずは基本修正です。


まず、露光量をある程度まで上げてしまいます。今回の画像の場合+1.2位まで上げて良いと思います。
次にコントラストを少し上げ、トーンカーブを調整します。
明るさを少しあげて、暗い部分をより暗くするために図のような形にします。
そして、ハイライト、シャドウ、白レベル、黒レベルを調整して白飛びや黒潰れが起こらないように調整します。
今回の画像では、図のような値で調整しています。
ここまでの操作を完了させると下のような画像になります。

全体的に明るくはなってきましたが、彩度も高くこってりし過ぎている感じです。
肝心の工場部分も潰れた感じであまり良くありません。
テクスチャー、明瞭度、彩度
次の項目では、ポイントにも書いたようにテクスチャーと明瞭度を上げて彩度を下げます。

テクスチャーと明瞭度は+50から+60ぐらいまで上げてしまいます。これで工場の質感がかなり出ます。
そして彩度ですが、彩度は-25まで下げ、自然な彩度は+5にしました。
自然な彩度は好みで少し上げています。自然な彩度は寒色系の色に関するパラメータなので少し足しました。
ここまでの処理を施すと以下のようになります。

色味に関しては若干、こってり感が抜けたように感じますね。まだまだ重いですが。
また、テクスチャーと明瞭度のお陰で工場の質感も出てきました。
HSL / カラー
最後に、色相、彩度、輝度を色ごとに調節して先程から言っていたこってり感を抜きます。
今回の設定は以下のようになります。

色相に関しては、暖色系をオレンジよりに、寒色系をグリーンに少し寄せました。
今回の画像だとそこまで変化は出ないですね。
彩度に関しては、オレンジとイエローを上げてグリーン、アクア、ブルーを下げます。
なぜ、彩度を抜くのにオレンジ、イエローを上げるのか。
工場の配管などにはサビのような汚れがついていることがほとんどです。
サビのような汚れを強調してやると、より工場らしさが強調されます。
今回の場合、この効果を感じにくいので、この先の作例でみていただければと思います。
グリーンについては、こってり感の原因である最も主張の強い色なので彩度を落とします。
しかし、目立つ部分でもあるので落としすぎに注意です。
私の経験的には化学メーカの工場では緑が多い傾向に感じます。
なので、今回の写真以外でも共通の可能性が高いです。
そして、アクアとブルーを下げると工場の明かりを白っぽくすることができます。
これによって工場の無機質感を表現できます。
最後に輝度ですが、彩度を上げたものを下げる、下げたものを上げるという感じに
微調整していただければと思います。
完成

ここに書いた編集以外にも部分補正で明るさは調整していますが、
大部分は上までに書いた内容で作り上げることが出来ます。
作例

ISO 160 / 70 mm(換算105 mm)/ f11 / SS 8 s

ISO 160 / 122 mm / f11 / SS 8 s
この2枚は四日市にある東ソーの工場なので、比較的グリーンが強く出ています。

ISO 110 / 122 mm / f13 / SS 20 s

ISO 100 / 300 mm / f16 / SS 13 s
こちらの2枚は四日市にある昭和四日市石油のプラントです。先程話したサビがわかりやすい画像です。ここを強調するとより工場らしさが出ます。
まとめ
レタッチのコツをまとめます。
まずは、基本補正については
- コントラストは高めに
- テクスチャーと明瞭度を上げて工場の質感を出す。
次に、色に関しては
- 全体的に彩度を下げる。
- 化学メーカの工場だとグリーンが強く出るので、HSL / カラーで調節する。
- オレンジを強めてサビや汚れを強調する。
- アクア、ブルーの彩度を落として白い光にして無機質感を強調する。
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