カメラも大切ですが、レタッチする事も考えるとレタッチに使うPCも大切です。そこで今回は、LightroomとPhotoshopを快適に使うためのPCの性能について考えます。私がMacユーザーなのでMacベースで書いていきますが、類似のスペックをもつWindowsPCでもレタッチにおいては問題ありません。
目次
用語について

カメラをメインに扱うブログなので、ここで一度PCを構成するパーツを以下のように簡単に表現しておきます。
- メモリ:作業するのに必要なデスクの広さ
- CPU:作業をする人(良いCPU = 仕事のできる人、早く片付ける人)
- GPU:CPUの映像版(CPUは色々な仕事をするが、GPUは専門的)
メモリがいっぱいあれば、色々な作業が効率よくできる。CPUが高性能なら早く作業ができる。GPUが高性能なら映像、グラフィックは文句なし!と言った感じになります。
そしてCPUについてはコア数とスレッド数という言葉が出てきますが、それらについては以下のように表現できます。ちなみにコア数、スレッド数は複数の処理を同時に行う能力を表しています。
- コア数:料理をするコックの人数
- スレッド数:コックが使えるコンロの数
コックが多ければ同時に料理が作れるし、使えるコンロが多ければより効率よく料理が作れます。そんなイメージを持っていただければこれからの話がわかりやすくなるかなと思います。
私の環境
PCの故障などによりこれまで3, 4台のPCでレタッチをしてきましたが、今の環境は以下の機材です。
PC
Mac mini (2018 Late)

メインで使っているPCは、Mac Mini 2018 modelです。コンパクトで比較的安いモデルなので使いやすいです。また、購入時はメモリ8 GBと少なめでしたが、増設できるモデルなので16 GBへ増設しました。
CPU | Intel i5-8500B(3.0 GHz, turbo 4.1 GHz) |
コア数/スレッド数 | 6 / 6 |
メモリ | 8 GB ⇨ 16 GBへ増設しました |
グラフィック | Intel UHD Graphics 630 |
ストレージ | 256 GB |
ちなみに増設にはCrucial のメモリ8 GB×2を使いました
Mac Bock Air M1 Chip (2020)

持ち出し用サブPCとしてMac Book Airも使っています。こちらは吊るしモデルと言われる最廉価のカスタムもしていないモデルです。このPCの使い勝手については別の記事にまとめているので、参考にしていただければと思います。メモリの容量についてやレタッチ時の発熱、書き出しスピードについて書いています。
【参考記事】【メモリ何GB?】フォトグラファー目線でのM1チップ搭載Mac Book Airをレビュー
【メモリ何GB?】フォトグラファー目線でのM1チップ搭載Mac Book Airをレビュー – よるどりカメラ
Sony a7iii

現在、愛用しているカメラは2420万画素の a7iiiです。一眼レフとしては一般的な画素数です。
使用ソフト
使用するソフトはLightroomとPhotoshop、LuminarAIの3つです。Lightroomをメインで使って、たまにPhotoshopとLuminarAIを使うくらいです。
よく同時に使用しているソフトはブラウザのChromeとMusicの2つを起動しています。
快適なスペックとは?

様々なPCを使ってみて感じる必要なスペックは以下の通りです。あくまで個人的な感想ですのでご了承ください。
メモリ | 16 GB以上がオススメ |
CPU | 6コア以上のもの |
GPU | Intel内蔵のものでも問題ない |
メモリ
Adobe公式で推奨されているスペックは、最小で8 GB、16 GB以上を推奨と書かれていますが、16GBは最低でも欲しいです。8 GBでも問題なく動作はしますが、スワップという機能を使っているので動いている状態なのであまり状態とは言えません。スワップとは、大雑把にいうとSSD(データを保存しているところ)の一部をメモリとして借りているような状態です。SSDを借りている分SSDも磨耗してしまいますので、PCの寿命を縮める原因になります。
そして、メモリの容量が多いと書き出し速度も早くなります。例えば、Sony a7iiiで撮影したRAWファイルを50枚一気に書き出ししてみると以下のような結果になります。
8GB | 1分57秒 |
16 GB | 1分37秒 |
CPU
私が実際に使った感想ですが、CPUの性能が高いほど書き出し速度は向上するが、操作自体に差はそんなに感じません。今までと同様にAdobeのページ(64 ビット、マルチコアプロセッサーの部分)を見るとコア数は6コア以上あれば十分なようです。
また、高解像度モニターを使用する場合はさらに大きなパワーを使うと書かれていますが、FHDなら私の環境でも問題ありません。ただし、4Kモニターなどを接続する場合はもう少し余裕のある構成が良いと思います。
64 ビット、マルチコアプロセッサー(最大 6 コアで最良のパフォーマンス)。複数のまたは高解像度のモニターを使用する場合はさらに大きなパワーが必要であるため、余裕のパワーが特に重要です
パフォーマンスを最適化する
GPU(グラフィック)
Lightroomの場合は、以下の機能についてGPUを使うようです。
Lightroom Classic の環境設定/パフォーマンスでグラフィックプロセッサー(グラフィックカード、ビデオカード、GPU ともいいます)の使用を有効にすると、現像モジュール、ライブラリモジュールのグリッド表示、ルーペ表示、フィルムストリップで画像の表示や調整を行う際に、互換性のあるグラフィックプロセッサーを使用して処理が高速化されます。
Lightroom Classic GPU の FAQ
この引用を考えるとGPUはそこまで優先度の高くない項目だと思います。現在使っているPCのGPUは、以前使っていたRadeon Pro 560からIntel 内臓グラフィックのUHD Graphics 630とダウングレードしていますが、GPU由来のストレスは今のところ感じていません。
一方、PhotoshopではLightroom以上にGPUを使用する機能が存在します。比較明合成程度では問題ないですが、公式サイトに載っているような機能をよく使う場合は注意が必要です。
まとめ
今回は、レタッチに用いるPCについて今まで使ってきたPCの動作から必要なスペックについて書きました。それらをまとめると以下のようになります。
- メモリは16 GB以上にすべき。
- 最悪8 GBでもレタッチ自体は問題なくできるが、SSDを摩耗するのでオススメしない。
- CPUは6コア以上のものにする。4Kディスプレイなどを使う場合はもう少し性能が必要かもしれない。
- GPUの性能はLightroomではそこまで求められていない。性能の低い内臓GPUでもレタッチには問題ない。
- Photoshopでは、やることによってGPU性能が必要になる場合もある。
おそらく最も優先すべき部分はメモリな気がします。8 GBから16 GBに増設すると書き込み速度や操作性に差をとても感じます。CPUに関してはすごく性能を求められるわけではないが、ミドルクラス以上を選んだ方が無難に感じます。GPUについては内蔵グラフィックスでも問題なく使えるので優先度は最も低いと思います。
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