SNSを見ていると上手くは表現できませんが、海外感が強いレタッチを見たことがあると思います。何が違うかはっきりしないけど日本のレタッチとは違うような…と感じる人もいると思います。今回は私なりに海外感を感じる要因を見つけ、それをLightroomを用いたレタッチに落とし込んでいきたいと思います。
なぜ、日本と海外で雰囲気が異なる?
まずは、なぜ国によってレタッチに差が生じるのかを考えてみたいと思います。考えられる理由は様々ありますが、今回は3つ上げてみます。
- 人種による身体能力(視覚)の違い
- 地理的な問題
- 文化的背景の違い
最も大きい違いは、そもそも人種によって色の感じ方が違うということです。例えば、日本において虹といえば7色ですが、アメリカは6色、ドイツは5色と認識されているようです。この認識の違いには、身体的な特徴と太陽光の2つが関係してきます。まず、人種によって目の色(メラニン色素の量)が異なるため感じ方が変わります。そして、地理的要因によって太陽の位置や日照時間の違いによって色にも影響が出てきます。
今までは科学的な要因を紹介しましたが、最後は文化的な要因です。宗教や歴史的背景によって国が違うと同じ色でも色に対する印象が変わります。そのため、レタッチにおける色使いも差が生じているのではないかとされています。
この部分をまとめるにあたって以下の記事を参考にしたので、興味がある方は是非読んでみてください。
【参考記事】国による色の見え方・感じ方の違い
海外風レタッチの特徴

ここからは、海外風レタッチの特徴をピックアップしていきます。風景やストリート、夜景の写真を見て感じたことを列挙していくので、全てのレタッチに当てはまるわけではありません。
- コントラストや明瞭度高め
- 全体的に明暗差ははっきりしている傾向にある
- 質感が際立つ、重みを感じる
- オレンジを強調してアクセントにしている
- 青色はグレーや黒に近いものも多い
まとめると、コントラストが高く明暗差が大きい。そして、オレンジと青をコントロールしてアクセントをつける。といった感じです。
ジャンルによっても若干違いがあり、夜景に関しては比較的青を青として使っている印象があります。ティール&オレンジなんかが正にそうです。ティール&オレンジの作り方は記事にまとめているので、詳細を知りたい方は以下の記事を読んでみてください。
【参考記事】夜景におすすめのレタッチ「ティール&オレンジ」をLightroomで作っていく
夜景におすすめのレタッチ「ティール&オレンジ」をLightroomで作っていく – よるどり特徴をレタッチへ落とし込む
ここからは、先程あげた海外風に感じる特徴をLightroomを使って再現していきます。例えば、この写真

レタッチをする際に気をつけたポイントは以下のポイントです。
- コントラストを高める
- アクセントに赤やオレンジを意識
- 曇りの昼間の写真なので、青をなくし全体的にグレーにする
- 屋根の鉄骨部分の質感を強調
コントラスト

コントラストを高めるにはコントラストの値を上げれば簡単にできますが、それだと単に明るい部分は明るくなり、暗い部分が暗くなるだけです。今回のポイントはトーンカーブでS字を作り、左下のカーブを持ち上げることです。
単純にコントラストを上げると確かに明暗差は大きくなり、ポイントを押さえているように感じますがそれではこってりした写真を量産するだけです。トーンカーブの左下を少し持ち上げることで暗い部分が少し明るくなり、このこってり感を解消してくれます。


左側が先程のトーンカーブを適応したもので、右側がトーンカーブを編集していない状態です。トーンカーブを調整したほうが、全体のバランスがよくなっているように感じます。
オレンジとグレー

次にHSL / カラーの項目を調整していきます。極端かもしれませんが、暖色を目立たせたいのでイエローより下の色は全て-100にして色を消しています。そして、色に関してもこってりしないように自然な彩度や彩度と言ったパラメーターと合わせて暖色も調節します。
質感を出す

質感が最も感じられそうな屋根の鉄骨部分を強調します。段階フィルターを用いて屋根をマスクします。そして、テクスチャーや明瞭度を上げて質感を強調します。
全体的にテクスチャーと明瞭度も上げていますが、全体を上げすぎると不自然にこってりとした感じになってしまうのでほどほどに上げて、気になる部分を部分的に上げたほうが良いです。
まとめ
今回は海外風のレタッチについてまとめました。特徴をいくつか押さえて編集に活かせれば様々なシチュエーションでSNSで見る海外っぽさを表現できると思います。
ポイントはコントラストが高く明暗差は大きく。そして、オレンジと青をコントロールしてアクセントをつけることです。コントラストを調節する際は、トーンカーブを上手く使うこともポイントです。
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